青年海外協力隊として、ミクロネシアのヤップ島に派遣中社員の日記。
インフォニック、ヤップ支社長を僭称しつつ活動中。

※僭称:勝手に身分を越えて上の称号を自称すること(広辞苑より)

公開日:2009.01.30

ヤップ語

こんにちは。大内です。ジャングル暮らしにも少し慣れて来ました。
ビードルナッツも毎日、噛んでます。あんまり好きとちゃうけど。

(ステイ先、母屋の全景。子供たちがリビングでDVDを観てます。
前回もお話しましたが、この島ではレンタルDVDが大流行なのです)

‥ンガ‥‥ング

実は仕事、まだ本格的には始まってません。
現在は、午前中だけ職場に行って、午後はJICAのドミトリー(島の中心地であるコロニアに、隊員が自由に集ってよいドミトリーがあるのです)に行って、現地語であるヤップ語というのを習ってます。

ヤップの人の大半は、英語を喋ることができ、僕らと話をする時は英語を使ってくれますが、
ヤップ人同士の会話の時はヤップ語を使います。
だから、ステイ先でも、職場でも全くの未知の言語が飛び交います。
ヤップ語は、「ンガ」「ング」という発音が多く
「‥ンガ‥‥ング‥‥ンガ‥‥ング‥」まるで呪文のようです。
ぼーっと聞いていると眠くなります。

という訳で、ヤップ語での挨拶、基本的な文法、基本的な会話だけでも習得しようということで、
短い期間ですがヤップ語を習っているのです。

(ヤップ語のテッヅ先生との2ショット)

しかし、このヤップ語、難しい。めちゃくちゃ難しい。
発音も簡単ではありませんが、とにかく活用が多いのです。
1人称、2人称、3人称(I、You、He/She/It)や、
現在、過去、未来で単語(英語の場合は動詞)が活用変化するのは英語と同じですが、
ヤップ語は更に、主語が1人(Iとか、Heとか)、2人(Weとか、Theyとか)、
3人以上(やっぱりWeとか、Theyとか)でも活用するのです。
つまり、「1人称・現在・2人」とか、「2人称・過去・3人」とか、「3人称・未来・1人」とか
‥‥‥とにかく、やたら変化する。
しかも、変化する対象が文脈によって変わる。ある時は主語、ある時は動詞、ある時は名詞。
真剣に取り組んだら、多分、気が狂います。
でも結構がんばってます。だから、若干、気が狂いそうです。

ヤップ島と日本

でも、このヤップ語、よく聞いていると何か日本語っぽい単語がちらほら
「ヤサイ」「センコウ」「コウエン」「パンツ」他にもいっぱい。
実はこれら、れっきとした日本語なんです。
ヤップ島も含めたミクロネシアの島々は、第二次世界大戦まで日本に統治され、
日本語の教育が行われていた関係で沢山の日本語がヤップ語に取り入れられているのです。
ヤップ語を教えて下さっているテッヅ先生は、
それらヤップ語に取り入れられた日本語を整理してリストにしていらっしゃるそうで、
1000語ぐらい確認されているそうです。
で、僕が一番、面白いと思ったのが「センセイ」何と「教える」という動詞で使われているのです。
「グべ センセイ」で「私は教えている」という意味――面白くありませんか?

そして、かなり年配の方の中には日本語を喋ることのできる方がいらっしゃり、僕も偶然お会いしました。
日曜日に村の教会前の広場で行われていた、ヤップダンスという伝統的な踊り
(ヤップダンスについては、また詳しく紹介できるときがあると思います)を見に行った時に、 声をかけていただいたのですが。

(ヤップダンスの様子)

「こちらへお座りなさい」とても驚きました。
「はい」やはり、かなり年配のかたです。
「どちらからいらしたのですか?」
すごく丁寧できれいな感じのする日本語です。
「京都です」「そうですか」
ちょうどその時、ダンスを観に来ている村人にパンが配られていて、
僕ももらってしまって困っていると
「どうぞお食べなさい」「はい」
会話はそれだけでした。
何かもっと聞きたいことがあるような気がしたのですが何と話しかけてよいか分からず。
こんなきれいな感じのする日本語を喋る人は、
日本にはもういないと思うとちょっと申し訳ないような気持ちになりました。
もちろん僕も喋れません。日本でそんなきれいな日本語使ったら変な奴やし。